臆病と冷静の隙間

日々のことを思いついたときに書き留めています

サンドイッチとの距離

私は、基本的に好き嫌いが少ないと思ってこれまで生きていたのだけど、よくよく考えるとそうでもないかもしれない、というのが今回のテーマです。

そして、私の嫌いな食べ物は、周りからの共感が得られにくい、とも感じる。

 

嫌いなものはなんですか?と聞かれた時に、まず最初に「卵」と答える。

この時点で会話に躓く。質問を投げかけた方も、経験則で8割くらいの人が「えっ、?」とうろたえる。「えっ!?」でも「え〜?」でもなくて「えっ、?」って感じ。今聞いたのは事実ですか?みたいな、これはちょっと被害妄想かもしれないけど。

その後、私は付け加えて「半熟卵とか特に苦手です」という。そうするとなんとなく「あ〜」と、「言いたいことは何となくわかりましたよ」という反応が帰ってくる。

私が1番苦手なのは、半熟のゆで卵。温泉卵は、自分から食べたいと思ったことが人生で1度もない。温玉のせは悪しき文化だと思っていて、こっちはジューシーなローストビーフを味わうためにローストビーフ丼を頼むのに、どうしてそこに温玉を載せてしまうのか、全く理解できない。海鮮丼にしても、ハンバーグにしても、せっかく最高のたんぱく質がすでに存在しているのに、どうして……

グルメ番組で、「そしてこの熱々のお肉に、卵を載せます!!」と意気揚々と言われても、テンションが急降下していくだけである。

こう語ると、だいたい「じゃあ月見そばもダメなんですよね?」と帰ってくる。もう読めたぞ、というような感じで。

答えは「月見そばは大好物」である。

ここでもう匙を投げられる。でも投げられた私の方だって、理屈はなんにもわからない。年末の年越しそばは絶対卵を入れるようにしてるし、てんぷらそばよりも好きかもしれない。

理由は分からないけど、月見そばは本当に美味しい。でもたぶん、釜玉うどんはそんなに食べたことがない。(気が進まないのです)

さて、卵については一旦保留して、サンドイッチの話に移ろう。先日、サンドイッチが苦手であると人に伝えたら、「サンドイッチが苦手な人っている?」と言われた。ちなみに、サブウェイは大好物だと伝えると「生意気」と言われてしまった。

食パンで卵やハム、トマト、ツナなどを挟んだ、よくコンビニでは三角形で売られてるあのサンドイッチがだめ。一方で、固めのフランスパンに、サラミやエビ、アボカドを挟んだサンドイッチは毎日食べたいくらい好き。

この違いははっきりとは分からないけど、食パンで挟んだサンドイッチでも、カツとか、コロッケをキャベツと一緒に挟んだものは食べられるので、たぶんレタスがダメなんだと思う。

時間がたってふやけたキャベツの、あの生臭さがなんとも言えずダメ。

でも、サブウェイは本社への出張のたびに買っているから、本当に好き。

個人的に、サンドウィッチの存在そのものには肯定的で、サンドイッチ全般をおいしく食べられる人は人生得してるな~~と思ってる。

それひとつあれば、炭水化物も、たんぱく質も、食物繊維も、なんでも摂取できるではないか。おにぎりと、サラダと、チキンと……なんて買っていると、コンビニでは余裕で1000円近くなるが、サンドイッチがあれば、500円ほどで済むじゃないか、わたしもサンドウィッチが食べられる人類でありたかったな……と日々コンビニへ寄るたびに思います。

サンドイッチのことは尊敬しているけど、やっぱり、相いれない距離にあるんだと思う。それでも、この世からサンドイッチがなくなれと思ったことはない。相互不干渉であることが、もっとも平和な距離だと思っているからだ。

かかわらなくていいのだ、苦手なものにわざわざ。克服したいと手を伸ばし、やはり苦手なままでも憎むこととはまた違う。

なんて、おおげさかもしれないけれど、最近のニュースを見ていると、なんでもいいから平和であってくれと願わずにはいられません。

国だけの話ではなく、個人と個人であってもね。